talk session2019.04.04

住宅業界の文化をみんなでつくっていく|ジャパン建材フェア2019 トークレポート

 

introduction

2019年3月15日、東京ビッグサイトで開催された「ジャパン建材フェア2019」にて、「〝ほしいと思える住まいつくれてますか?〟本当のユーザーニーズ教えます」と題したトークセッションにBETSUDAI Inc. TOKYO CEOの林が参加しました。住宅業界を牽引する4名のスピーカーとともに「今のユーザーが住宅に対してどんなニーズを持っているか」について熱いトークを繰り広げました。そして、今回5人が辿り着いたのは「住宅業界の文化をつくっていく」という答えでした。

 

スピーカー紹介

  • 加賀爪宏介(株式会社ダンドリワークス 代表取締役) ※司会
  • 林哲平(BETSUDAI Inc.TOKYO CEO)
  • 久田一男(未完成住宅・DIY工務店 9株式会社 CEO) 
  • 荒川公良(株式会社TOOLBOX 取締役)
  • 髙重正彦(ルームクリップ株式会社 代表取締役CEO)

ユーザーニーズに向き合うことは、ユーザーとコミュニケーションを取ること

トークセッションの司会を務めたのはダンドリワークスの加賀爪氏。最初のテーマは「みなさん、ユーザーと向き合っていますか?」。これに対し、住宅を提供する立場から林と9の久田氏が、ユーザーに近い立場からルームクリップの髙重氏が回答しました。

どれだけユーザーと向き合っているかというのは、どれだけユーザーとコミュニケーションを取れているかに比例するんです。僕ら住宅業界はもっと、消費者とのコミュニケーションを取っていかないといけないと思っています。

高重

今はユーザーがたくさんの情報を持っていて、僕らがユーザーから最新のトレンドを教えてもらうことも多いんです。でも、ユーザーがSNSなどで施工事例やインテリア事例を見て「こんな家をつくりたい」と思っても、WEBの情報に住宅業界が追いついていないために、「どこに依頼したら実現できるの?」と戸惑ってしまう現実がある気がします。

久田

いまここにいる人、みんな違う服を着ていますよね。ファッションは多様化していますが、住宅はどれも同じに見えてしまう。誰もが自分らしい住まいを求めているのに、僕ら業界がそのニーズに十分に応えきれておらず、画一的な住宅ばかりつくっているのが現状です。

おしゃれなデザインの家を設計しても、既にある建材から選ぶしかない。それを組み合わせたものが住宅です。デジタル化が進み情報がどんどん増えているのに、それをリアルの現場で十分にオペレーションできていない。もっと住宅業界のみんながアンテナを高く張ってユーザーニーズをキャッチできれば、「ほしい」を叶える新しい建材や住宅の建て方が生まれるはず。

多様化するユーザーニーズ。企業は自信をもって、自分たちがいいと思うものを発信すべき

続いてのテーマは、「ほしい住まい、暮らしを考える」。ユーザーがほしいと思う住まいが多様化しているなかで、住宅業界がそのニーズに応えていくためには何が必要なのでしょうか。この問いに対して各スピーカーの回答から見えてきたのは、「自分たちらしい発信」をしていくことの重要性でした。

高重

ユーザーに合わせるというよりも、供給側が自分たちの特徴をちゃんと発信していくことが大事かなと。いいものをつくって、ちゃんと発信していけば、「ほしい」と言ってくれる人は必ずいるはずです。

加賀爪

ニーズは多様化しているけれど、企業はそれに流されてはいけないということですよね。多様化しているからこそ、“らしく”あれと。

荒川

ユーザーが何をほしがっているか、多様化しすぎてもはやわからないというのが本当のところです。弊社では「自分がほしいかどうか」だけを判断基準にしています。そして、「なぜ僕らはこれがいいと思うのか」をとにかく語る。共感して、ほしいと思ってくれた人に届けばいいと考えています。

日本には腕のいい設計士やデザイナーがたくさんいるのに、能力を十分に発揮できていない。それは、企業がユーザーよりも競合ばかりを見てしまいがちだから。その結果として、似たような住宅デザインがあふれてしまっているんです。設計士やデザイナーがもっとユーザーと向き合い、そのうえで自分たちがつくりたいものをつくっていけば、住宅のデザインはもっと豊かになると思います。

日本らしい「住宅業界の文化」をつくっていく

住宅業界が抱える課題が明らかになったところで、話はいよいよ最後のテーマ「住宅産業、どうしたらこれから良くなる?」へ。住宅業界を盛り上げるべく日々奮闘している5名のスピーカーからは、これからの住宅を変えていくヒントとなるアイデアが次々と飛び出しました。

久田「戦後、画一的な洋風間取りの住宅が普及しました。でも、それは本当に僕ら日本人の暮らしやニーズに合っているのでしょうか?僕たちには、もっと似合う家があるんじゃないでしょうか。その人に似合っている服は着る人自身を変えるし、周りの人の気分も変えますよね。家は住む人にもっと大きな影響を与えます。特に将来の子どもたちに、この家を残したいとおもえるような、本当に愛せる家をつくっていくべきだと思います。」

高重「メーカーさんにはぜひ、自社商品を客観的に調べて、どんな人がどんな風につかっているかを知ってもらいたいですね。世の中にあるモノは全て価値があるから流通していると思うから、そのモノが輝く瞬間を知って、自分たちの商品に自信を持って情報を発信してもらいたいです。
もっと住宅業界から積極的に情報を発信し、選択肢をユーザーに届けてほしい。そして、「住まいが良くなると人生が豊かになる」という考えを文化として定着させていきたいですよね。」

荒川「この業界って分かりにくいですよね。イチオシというものが見えにくい。自社のウリの商品を「うちはこれがイチオシだよ!」と伝えることをもっとやってもいいと思うんです。
車だと「いつかあの車に乗りたい」と憧れ続けるファンがいますよね。5年後にほしい車について、5年間その車を調べつくすように、ユーザーと買う前段階から信頼関係をつくることができれば、この業界もすごく面白くなりそうですよね。」

林「住宅の買い方ってもうずっと変わっていないですよね。新しい住宅の買い方がもっと生まれてもいいと思います。例えば、オンラインでユーザー自身に好みのパーツを組み合わせて内装イメージをつくってもらうとか。そうすれば、工務店さんの労力も減るし、ユーザーの自由度も上がります。デジタル化が進んだいまの時代で、ITテクノロジーをもっと活用していくべきではないでしょうか。
それぞれ思いつくアイデアはあるけど、住宅業界の文化をつくるためには、影響力がある大手企業さんの力が絶対に不可欠。実際に製品をつくっている方とディスカッションをして、何か新しいことができないか、ぜひ一緒に考えていきたいです。」

加賀爪「今の住宅業界にはおもしろい文化がない気がします。このままだと10年後、ユーザーの興味が住宅業界以外に向いてしまって業界全体が伸び悩んでしまうかもしれないという危機感をもったほうがいいと思います。

ここにいるメンバーは全員、居酒屋でも「住宅業界を変えたい!」と熱く語っているメンバーです。僕らはこの業界を変えたいと思って本気でやっています。一緒に盛り上げていきましょう!」

住宅業界はもっとおもしろくなる!

1時間の枠では収まりきらない程白熱した今回のトークセッション。それぞれの立場から「住宅業界はまだユーザーに十分に向き合えていない」という現状が伝えられました。しかし、それは言い換えれば、住宅業界は変わっていける伸びしろがあるということ。一方で、「自分らしい家に住みたい」というユーザーのニーズを叶えるために、1社1社、さらには住宅業界全体が取り組むべきことのヒントも提示されました。

新しい住宅業界の文化を生み出すために、BETSUDAI Inc.TOKYOでも引き続きさまざまな取り組みをしていきます。ぜひ、同じ想いを持った企業の方と、住宅業界の未来を描いていきたいと考えています。

9株式会社
9(ナイン)株式会社は旧い建築物の再生「リノベーション」を、不動産調査・設計デザインから運営までトータルでプロデュースするデザイン事務所。
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株式会社TOOLBOX 
一般ユーザーに向けた内装建材や家具パーツを販売するオンラインショップ「toolbox」を運営し、中古マンションやオフィスのリノベーションを手がける。
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ルームクリップ株式会社
ユーザーが投稿した家の実例写真を中心とした、日本最大級の住まいと暮らし・ライフスタイルのSNS「RoomClip」を運営。
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